餅と求肥はどちらも日本の伝統的な和菓子素材ですが、
原材料・食感・用途・作り方がまったく異なります。
似ているようで、分類としては別物です。

比較表

餅の特徴

餅はもち米を蒸してついたもので、米の旨味と強いコシが特徴です。
しっかりした粘りがあるため、加熱すると伸びが強く、冷めると硬くなります。

料理としても幅広く使われ、
・雑煮
・焼き餅
・おしるこ
など、日本の食文化に深く根づいた食材です。

“米の食感”が主役で、和食としての用途が多いのが餅の特徴です。

求肥の特徴

求肥は、白玉粉（もち米を粉にしたもの）に砂糖や水あめを加えて練った菓子素材です。
餅より柔らかく、しっとりしていて甘みがあり、大福や上生菓子に使われます。

・時間が経っても硬くなりにくい
・洋菓子の素材にも応用できる
・カラフルに加工しやすい

といった特性があり、特に和菓子の“皮”に使われることが多いです。

例：
・いちご大福の生地
・雪見だいふくの外側
・生菓子の練り素材

餅よりも“お菓子専用”に特化した素材です。

どちらが自分に向いているか

食事として餅の食感や米の風味を楽しみたい
→ 餅

甘くて柔らかいスイーツ系を求めたい
→ 求肥

同じもち米由来でも、用途と味のベクトルが違います。

なぜ議論が続くのか

見た目が似ていて、どちらも“のびる・柔らかい”特徴があるため、
「大福の皮は餅？」
「雪見だいふくは餅？求肥？」
という混同がよく起こります。

正確には、大福の生地や雪見だいふくは餅ではなく求肥です。

身近な例で考えると分かりやすい

餅は“ご飯（米）が変化した食材”。
求肥は“お菓子用に進化した和スイーツ素材”。

同じルーツでも使い方がまったく違います。

まとめ

餅は「もち米をついて作る、強い弾力のある食材」
求肥は「白玉粉・砂糖を練って作る、柔らかく甘い和菓子素材」

似ているようで用途も味も本質的に異なる食べ物です。