看護師と介護士はどちらも「人の生活を支え、健康を守る職業」ですが、役割・専門性・業務範囲が大きく異なります。
医療行為の可否、学習内容、求められる判断レベルなどが明確に分かれています。

比較表

看護師の特徴

看護師は、医師の指示のもとで医療行為を行える唯一の専門職です。
採血、点滴、注射、投薬管理、バイタルサインの評価など、患者の生命に直結する業務を担います。

また、状態変化の早期発見や、重症化を防ぐための判断が求められ、医学的な知識と高度な判断力が必要です。
病院だけでなく、訪問看護やクリニックでも活躍し、医療の最前線を支える存在です。

介護士の特徴

介護士は、利用者の「日常生活を支える専門職」です。
食事、入浴、排せつ、移乗などの身体介護に加え、生活全体のサポートや精神的なケアも行います。

医療行為は原則として行えませんが、利用者に最も近い距離で生活を支え、安心感を与える役割があります。
介護福祉士は国家資格であり、高齢化社会において重要性がますます高まっている職種です。

どちらが自分に向いているか

医療に関わりたい・症状を判断したい・専門知識を深めたい
→ 看護師

生活のサポートが好き・人の話を聞くのが得意・寄り添うケアがしたい
→ 介護士

医療の専門性を重視するか、生活の質（QOL）を重視するかで適性が変わります。

なぜ議論が続くのか

看護師と介護士は近い距離で協力する仕事のため、
「どこまでが看護で、どこまでが介護なのか」
の境界が話題になることが多いからです。

しかし実際には、目的も役割も明確に違うため、どちらかが上・下という話ではありません。

身近な例で考えると分かりやすい

看護師は“医療面を守るプロフェッショナル”。
介護士は“生活そのものを支えるプロフェッショナル”。

病院と自宅が分担して機能するように、看護と介護も役割分担が成立しています。

まとめ

看護師は「医療行為と状態管理の専門家」
介護士は「生活支援と自立支援の専門家」

どちらも人の生活を守る重要な職業であり、領域が異なるからこそ連携が必要になります。